カフェの開業をする際は、多額の開業資金が必要です。

カフェの準備資金は、内装工事費などの設備資金と、家賃や人件費などの運転資金に分けられますが、特に内装工事費は大きな比重を占めます。

PL(損益計算書)を作成し、あらかじめ利益と損失のバランスを見極めることがカフェ経営で失敗しないコツです。

この記事では、カフェの開業資金の内訳や、PLを用いた運営シミュレーションの方法を解説します。これからカフェの開業にチャレンジしたい方は、ぜひ参考にしてください。

カフェの準備資金のうち工事費用は40〜50%

カフェの開業に必要な準備資金は、一般的には500万円~1,000万円程度です。都内かつ好立地の場所で開業する場合は、1,000万円を超えることもあります。

内装工事の費用は、空き物件なのか、居抜き物件なのかによっても異なりますが、おおむね坪単価20万円~40万円が相場です。10坪ほどの広さなら、カフェの内装工事費は200万円~400万円が1つの目安です。

準備資金が1,000万円の場合は、多くても開業資金の40%~50%までが工事費用の限度です。

居抜き物件なら、以前の店舗内装をそのまま使えるため、カフェの工事費用を抑えらます。ただし、賃貸借契約を結ぶとき、以前のオーナーに譲渡料を支払う必要があるケースも存在します。

内装工事費を抑えるなら、天井はコンクリート打ち放しのままにする方法もあります。好立地でも坪単価30万円ほどに抑えられるため、15坪のお店でも工事費は450万円程度です。

カフェの主な内装工事費の内訳をわかりやすく解説

お店のコンセプトにもよりますが、カフェの内装工事には、下記の10種類があります。10坪のカフェを例に挙げ、費用の概算もまとめました。

種別 費用
設計・施工管理費(店舗のデザインなど) 25万円
造作工事(カウンター、看板、棚など) 50~100万円
左官工事(床や壁の下塗り) 15万円
塗装工事(天井や壁など) 20~40万円
建具工事(ドアや窓ガラスなど) 5万円
間仕切り壁の設置(トイレや厨房など) 10~20万円
トイレの設置(トイレ本体や手洗器など) 15万円
水道・電気・ガス工事(店舗内の設備工事) 60~70万円
空調工事(空調機器の設置など) 20万円
防災工事(消化器・感知器・誘導灯の設置など) 20万円

居抜き物件なら、工事しなくて済むものもあります。カフェの内装工費は、開業資金のなかでも比重が大きいコストです。予算の上限を設定する、優先順位を決めるなどして、予算オーバーにならないよう気をつけましょう。

カフェ経営のPL予想の方法は?売上予想とコストの2つで開店前に損益計算

カフェを経営するうえで、営業利益と運営にかかる費用のバランスは欠かせません。そのために役立つのが、利益と損失のバランスが一目でわかる損益計算書(PL)の作成です。

PLの計算式は、「売上高-コスト)=営業利益」で求められます。売上高は開店前の段階ではわかりませんので、周辺の競合店の客単価と客数で計算したり、自分のカフェの集客計画をもとに予測したりします。

代表的なコストとして挙げられるのは、店舗の家賃、人件費、電気代、食品や飲料の原価、雑費などです。初年度の場合、カフェの工事費用や、建物の減価償却費も含まれます。

PLの作成で営業利益が予測できれば、「営業利益÷売上高」の計算式で、営業利益率も求められます。あらかじめPLを計算し、収支のバランスを見極めることが、カフェ経営の勝算を高めるコツです。

カフェの開業資金の内訳を理解してPL(損益計算書)を作成しよう

今回は、カフェの開業にかかる資金の内訳や、PLを用いた運営シミュレーションの方法を解説しました。

10坪~15坪のカフェなら、準備資金に500万円~1,000万円ほど必要です。天井、壁、床や、厨房・トイレなどの内装工事には、準備資金の40~50%を要します。

あらかじめ損益計算書を作成し、もっともウェイトが大きいカフェの内装工事費用のバランスをとることが、カフェの開業で失敗しないコツです。

この記事を書いた人

厨房屋

飲食店作りのエキスパート厨房屋は、創業21年、施工実績が4,000店舗以上。
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